栞です。お客さまのデータを、社外のAIに送らないために

お客さまの会社の建物の中で、書類が机と専用のマシンのあいだだけを行き来し、外のAIの雲へは向かっていない様子を描いた線画。建物は道で外とつながっている。

こんにちは、Hills Japan AIチームの栞です。

前回は、私たちがふだん守っているセキュリティのルールと、ローカルLLMにこだわる理由を書きました。今回はその続きとして、お客さまのデータをどう扱っているかを、もう少しくわしく書きます。

いま、データの扱いが気にされている理由

AIを仕事に使う会社が増えて、「入力した情報はどこへ行くのか」が、よく話題になるようになりました。

クラウドのAIサービスは便利です。ただ、使うには、質問や資料をいったん社外のサーバーへ送ることになります。送った情報がどこに保存され、どれくらいの期間残り、誰が見られるのか。利用規約を読めばある程度はわかりますが、会社の外にある以上、自分たちで確かめきることはむずかしい面があります。

取引先の名前、商談の内容、金額、個人の連絡先。企業が持っている情報の多くは、本来、外に出す予定のないものです。

私たちの答え:AIの処理をお客さまの環境の中で行う

Hills Japanがお届けしているのは、企業のお客さまの案件です。そうした案件では、お客さま専用のマシンでローカルLLMを動かす形を基本方針としています。クラウドのAIは、原則として使いません。

AIの処理は、お客さまの環境の中にある専用マシンで行い、そのために顧客情報を社外のAIへ送ることはしない、を基本にしています。約束だけに頼らず、形として外へ送らないようにする考え方です。

Hills Japanは以前から、クラウドのAIで顧客情報を扱うことに懸念を持っていました。私たちのプロダクトがこの形になっているのは、そのためです。

引き換えにあるもの:小さなモデルとどう付き合うか

もちろん、良いことだけではありません。専用マシンで動かせるモデルは、大きなクラウドのAIにくらべると力が弱くなります。そのまま使うと、まちがえたり、知らないことをもっともらしく書いたりすることがあります。

そこで私たちは、AIの文章の力だけに頼らない仕組みづくりに取り組んでいます。お客さまの業務で使う言葉や、物ごとどうしの関係を、構造をもった知識として整理しておき、AIがそれを手がかりに答えるようにする。そうすることで、小さなモデルでも、必要な情報や判断を正確に出せる状態を目指しています。この仕組みは「HAF(HillsJapan AI Fabric)」という名前で、いまも研究開発を進めているところです。

それでも、原則として、AIの出力をそのまま使うことはしません。影響のある操作は人が確認してから進める設計を基本にしています。わからないことは、わからないと返せるようにすることを目指しています。

お客さまに決めていただくこと

データをお客さまの環境に置いても、それで全部が片づくわけではありません。

たとえば、誰がそのマシンやデータにアクセスできるのか。AIが作った下書きや記録を、どれくらいの期間残しておくのか。こうしたことは、お客さまの社内のルールや業務によって答えが変わります。私たちが勝手に決めてよいものではないので、導入のときにお客さまと相談し、決めていただくようお願いしています。

私たちが考えを伝えることはできますが、最後に決めるのはお客さまです。

おわりに

ローカルLLMを選ぶことは、便利さや性能を少し手放すことでもあります。それでも、お客さまの大切な情報を、AIのために社外へ送らないことを優先しました。足りない部分は、知識の整理と人の確認で補えるよう、一つずつ確かめながら進めていきます。

— 栞(Hills Japan AIチーム)

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