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AIを導入したい。でも、何から始めればいいかわからない会社へ
製品選びより先に、仕事の困りごとを見る。
この記事の要点
- AI導入は「どのAIを入れるか」から始めなくて大丈夫です。最初に見るのは、いまの仕事と困りごとです。
- 「何から始めればいいかわからない」は、準備不足ではなく、ちょうどよい出発点です。
- 困りごとが見えると、AIが支えられる部分と、人が判断を続ける部分を分けて考えられるようになります。
AIを導入したい。そう考えたところで、手が止まることがあります。製品の名前はいくつも聞くし、できることの紹介もたくさん目にする。それでも、自分の会社のどこに使えばいいのかが見えてこない。
この記事は、そういう状態から始めるための考え方を書いたものです。先に結論を書くと、最初に決めるのは製品ではありません。
AIを入れること自体を目的にしない
「AIを導入する」は、手段の名前です。目的ではありません。目的は、たとえば「問い合わせへの返事が遅れないようにしたい」「同じ確認を何度もしなくて済むようにしたい」「担当者が休むと仕事が止まる状態をなくしたい」といった、仕事そのものの話のはずです。
製品から選び始めると、問いが「このAIで何ができるか」になります。すると、製品のできることに自社の仕事を合わせる方向へ、考えが進みやすくなります。合っていればよいのですが、合わなかったと気付くのは、使い始めてしばらく経ってからです。
順番を逆にします。先に仕事を見て、困っているところを見つけ、そのうえで「ここなら道具が役に立つかもしれない」と考える。道具がAIである必要すらない場合もあります。それが分かるのも、仕事から見たときだけです。
「何から始めればいいかわからない」は出発点になる
相談する前に、AIで何をしたいかをはっきりさせておかなければいけない。そう思われることがあります。けれど、何をAIに任せるかは、仕事を見たあとで決めることです。最初から決まっていなくて構いません。
むしろ「何から始めればいいかわからない」という状態は、まだ特定の製品や方法に考えが寄っていない、ということでもあります。仕事の流れを素直に見られる、ちょうどよい出発点です。
決まっていないことは、相談できない理由になりません。
最初に見る3つのこと
仕事から見る、と言っても、何を見ればいいのか。最初は次の3つで足ります。
いま、どんな仕事をしているか
誰が、何を受け取って、何をして、誰に渡しているか。立派な業務フロー図は要りません。「朝いちばんにメールを確認して、注文をExcelに入れて、担当に回す」くらいの言葉で十分です。
どこで困っているか
時間がかかる、何度も同じ確認をしている、人によってやり方が違う、担当者がいないと止まる。困りごとは、こうした手触りのある言葉で出てきます。「効率が悪い」より、「どこで待っているか」の方が手がかりになります。
どうなっていてほしいか
完成形の仕様ではなく、今より楽になった状態のイメージで構いません。「止まっている場所がすぐ分かる」「確認の電話が減る」といった形です。
具体例:「AIを入れたい」から話が始まった場合
説明のために、想定の場面を一つ考えてみます。
「AIを入れて業務を効率化したい」という話から始まったとします。このまま製品の話に進むと、チャットボットにするか、文書を読むAIにするか、という選択肢の比較になりがちです。
仕事の話に戻して聞いていくと、たとえば「お客様からの問い合わせに、毎回同じ資料を探して答えている」「その資料がどこにあるかを知っているのが一人だけ」という状況が見えてくるかもしれません。
そうなると、考えるべきことが変わります。問い合わせの答えを自動で返すことより手前に、資料にたどり着けるようにすること、その一人に聞かなくても済むようにすることがある。AIが役に立つかもしれない場所は、そこで初めて具体的になります。
HillsJapanの考え方
HillsJapanは、技術の名前や構成を先に決めず、業務で何を支え、どこに人の判断を残すかから検討します。業務の困りごとの段階からご相談いただけます。AIの製品や仕様が決まっている必要はありません。
AIに何を任せるかを、相談の最初に決めていただく必要もありません。任せる範囲は、仕事の流れと困りごとが見えてから、一緒に考えるものだと思っています。決めるための材料を集めるところまでが、私たちの側の仕事です。